O Apartment
Apartment renovation
『回遊できる動線がつくる開放的な居心地』
都内のマンションリノベーションの計画。周辺環境は同じような規模のマンションが周りを囲み、効果的な視線の抜けや借景はあまり期待出来なかった。隣接地でも新築マンションの建設が始まる状況だったため、採光を部屋全体に効率的に廻し健康的な室内環境を形成することに注力した。
『小さな居場所がつくる広がり』
クライアントとの対話を通して得たユニークなリクエストは、小さな空間がいっぱい欲しいということだった。寝室はベッドで満ち満ちに、本棚に篭るようなライブラリー、洗面所やドレッサーは廊下の一部にと、どれもミニマムサイズにした結果ひとまとまりのメインルームを獲得するに至った。大小多様なスケール感が同居することで心理的な居心地のレンジを広げている。
『空間をつなぐ建具のデザイン』
L型にバルコニーが取り巻く環境資源を活かして、バルコニーを縁側のような中間領域と見立てて外部を近くに感じる開放的な室内環境の獲得を目指した。リクエストと環境資源との調和を図ると、自然と島状の小部屋を囲む回遊動線が生まれた。動線に選択肢が増える事で体感以上の広がりを得られ、採光や抜けをどこでも感じられるように建具は開け放つことを前提としたデザインとしている。
- クライアント|個人
- 所在地|東京都品川区
- 主要用途|住宅
- 専有面積|71.94㎡
- 写真|本多 康司