J.DEUX CERCLE
Pâtisserie
『無人の店舗に温かみと表情をつくる』
郊外の住宅地の外れに計画したペストリーショップ。
洋菓子卸売事業を主軸とするクライアントにとって、企業の歴史に頼らず新たなブランドを構築するビジョンを持った新規事業となる。
自社工場1階に計画され、新たなファンづくりのためのホスピタリティと焼立てをそのまま提供するしずる感を大切にすることを望まれていた。
アフターコロナに対応する対面販売の提案として無人対応できる小さな店舗が求められた。
『車窓から認知しやすいファサードをつくる』
前面道路は都心や幹線道路へアクセスする道路であることから交通量が多く週末には渋滞ができていた。
郊外ゆえに車移動が多い地域であることから、新規顧客が認知しやすいようにショップの視認性を高めて興味を引くファサードにすべきだと考えた。
フルハイトのサッシで透明度を高め、商品が並ぶ陳列カウンターをファサードからひとつながりにすることで自然と店内に誘う仕掛けを施している。
内部の様子が手にとるように分かるコンパクトなサイズにすることで、ブランドの空気感を凝縮したショーケースのような空間を目指した。
『手仕事の魅力的なムラが温もりをつくる』
職人の手仕事が光るペストリーの魅力を伝えるため、内装に使用する素材は職人技術が光るものを採用した。
無人店舗ゆえに無機質な印象を与えないように素材の表情や色味を吟味し、均一な表情にならないように配慮した。
材料の個体差をそのまま活かし魅力的なノイズが空間に現れることで、温かみのある空気感をつくりだしている。
店員がいなくともお店のもてなしやビジョンが伝わる、そんな豊かな表情を持ったショップとなることを願っている。
- クライアント|藤井商事
- 主要用途|ペストリーショップ
- 所在地|神奈川県横浜市
- 専有面積|66.92㎡
- 写真|志摩 大輔